2008年10月04日
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国立国会図書館・第155回常設展示 すし~ふるさとの味~

Written By: 川俣 晶連絡先

 今日は国立国会図書館第155回常設展示 すし~ふるさとの味~に行ってきました。

 実は、国立国会図書館に行くのは初めてです。理由は、利用が面倒な場所と思っていたからです。実際は思っていたような場所はありませんでしたが、手間と時間を要求される場所だったのは事実です。

 さて、今回それにも関わらず国立国会図書館に行ったのは、そこに「常設展示」なるものが存在し、しかもそれが現在行われている『第155回常設展示 すし~ふるさとの味~』を最後にオンラインに移行すると知ったからです。

国立国会図書館

つながった地理 §

 青山一丁目から赤坂見附は歩いたことがあります。市ヶ谷から麹町は歩いたことがあります。この2つの経路は更に地下鉄1駅分延長すると交差します。この交点が永田町のあたりであり、そこに国会図書館があります。土地鑑がこれでつながりました。

 下高井戸方面から行く場合は、何となく新宿で丸ノ内線あたりに乗り換えるのが良さそうだと思いこんでいましたがこれは錯覚。実際は、明大前で井の頭線に乗り換え、渋谷で半蔵門線に乗り換え、3駅目の永田町下車が近いようです。路線検索でそれが分かりました。

平河町方面改札 §

 出るときに「平河町方面改札」という改札から出ましたが、もしかして「平河」は神田川の原型とされる「平川」と関係ある地名なのでしょうか?

第155回常設展示 すし~ふるさとの味~ §

 通路の一部で行われる小さな展示です。

 もちろん、地域の物産を売るコーナーなどもありません。

 単に、所蔵する本がいくつかケース内に展示されているだけです。

 しかし、これがまた面白い。

 「なれずし」や「きずし」など、各地の様々な寿司を紹介する美麗な書籍が分類されてずらりと並びます。また、「すし」がどのように伝来したのかの解説もあります。「なれずし」が食料の長期保存の手段であり、発酵させる手段として飯を使っていた、というのはかなり鮮烈です。この場合、飯は食べるものではないのです。

 これは紛れもなく、食の「歴史」と地域多様性の文化的な展示です。事前に、何も期待していませんでしたが、予想外の面白さの満足しました。

偶然の一致 §

 更に、昨日たまたま買った「マリー・アントワネットの料理人」というコミックスにも「なれずし」という言葉が出てきたばかりです。このコミックは、マリー・アントワネットには日本人の料理人がいて料理バトルを行うという荒唐無稽な内容です。あまりに非現実的で突飛すぎる作品かと思ったところ、内容は嘘でもバックグラウンドには厚い知識とリサーチがあるようです。(もちろん、このコミックに描かれたことが正しいという意味ではない。念のため)

 ここで、フランス宮廷での無理難題の料理勝負に、東南アジアから伝来したとされる「なれずし」というヒントで新しい料理を作り出していく描写は、東洋史と西洋史が絡み合った「娯楽歴史フィクション」としては「あり」ではないかと思います。